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まずは診断をしてもらうことにしました :: 会社をクビになる前に

大人のアスペルガー症候群を、早速手にいれました。イラストが多用されているので読み易いです。自分のことを「もしかして、アスペルガー?」って思ったり、「ちょっとKYな部下がいる」みたいな人が最初に手にするアスペルガー症候群の本としては、良い選択かと思います。
すでにアスペルガー症候群の人は、家族や友人、同僚に対して、自分の特性を知ってもらうために、啓蒙活動に使うとよろしいのではないでしょうか。たぶん、30分くらいで読めちゃうので、勧めやすいと思うんだ。

目次抜粋
1. なぜうまく生きられないのか

  • アスペルガー症候群/よくも悪くも目立つ、三つの特性
  • 行動特徴/社会性がなく、失礼な言動をする
  • どう考えるべきか/こころの病気ではなく、脳機能のかたより

2. 人にあわせられない疎外感

  • 付き合いの悩み/友達のつくり方がわからない
  • 子ども時代は……/少数の友達とだけ、仲がよかった
  • どう考えるべきか/付き合いの幅を無理に広げない
  • 友人に頼みたいこと/悪意がないことを知ってもらう

3. 職場に定着出来ない無力感

  • 仕事への無力感/指示されないと、自分からは動けない
  • 学生時代は……/天才肌で、得意科目に自信があった
  • どう考えるべきか/指示があれば、期待に応えて働ける
  • 同僚に頼みたいこと/独特の行動への理解を求める

4. 誤解と非難がもたらす劣等感

  • 誤解/家族が障害を認めないことに苦しむ
  • 二次障害/非難され続けて、劣等感や絶望を抱く
  • どう考えるべきか/二次障害は対応次第で防げること
  • 家族に頼みたいこと/障害にいっしょにとりくんでいく

5. 支援を受けると、生活が安定する

  • 生活支援/療育手帳や福祉手帳は取得できるのか
  • 就労支援/支援センターを利用して適職をみつける

ってことで、全5章を30分でさらっと読んだら、面白いぐらいに症例に引っかかる。ボクの生活を観察して書いたんじゃないのか?って思うくらいに、引っかかる。嫁さんにも読んでもらったら、当てはまりすぎて笑ってた。
例えば、

アスペルガー症候群の三つの特性

  • コミュニケーションの特性
    • よい面
      • 素直で正直。思った通りのことを口にする
      • 興味のあることについては、どんどん発言する
      • 独特の感じ方をする。人にはない感性を持っている
    • つらい面
      • 言葉を字義通りに理解する。たとえ話を本気にとる
      • 人の話を聞けない。聞いて理解するのが苦手
      • 表情や身振りに鈍感。他人の意図を読み取れない
  • 社会性の特性
    • よい面
      • 自由に発想できる。天真爛漫な生き方をしている
      • 行動力がある。やりたいことに向かって一直線
      • 人に流されない。ひとりでも怖がらず行動できる
    • つらい面
      • 友達ができない。それをさびしいとも思わない
      • 人と共感しない。人の気持に興味がもてない
      • 社会常識やマナーが、なかなか身につかない
  • 想像力の特性
    • よい面
      • 一定の作業を正確に、緻密にこなせる
      • 好きなことには、優れた集中力を発揮する
      • 反復作業、単純作業をいとわない
    • つらい面
      • 興味のかたよりが強く、頑固な面がある
      • 臨機応変な対応ができない。予定通りを好む
      • 決まりを守りたがる。融通がきかない
  • その他の特性
    • 運動が苦手
    • 感覚的なこだわりが強い
    • 生活習慣が乱れやすい

……当然、全部に該当。100%ってのはどうなんだ、と。いままで、良く生きてきたよな。


もちろん、ボク個人の生き方で考え方や行動が改善されてきた部分はある。例えば、ボクは営業職についていたことがある。普通に考えれば、アスペルガー症候群の人の特性は、営業職には向いてない。
顧客の真意を読み取ることはとてもとても苦手だし、同様に要望を聞き出すことも苦手だけれども、自分が気に入っている商品であれば熱意をもって話すことはできた。相手が悩んでいても、一方的に話しまくって「そんなに言うなら……」みたいなノリでお客様になってくれた人もいた。もちろん、熱が入りすぎて何度も客にひかれた。
ただ、ボクの情熱と素直さ・誠実さを買ってくれて顧客になってくれた人もいた。300件に1件くらいは。直接人に合うのは苦手だったから、テレアポしまくった。毎日200件は電話したし、暇さえあれば飛び込みもしまくった。毎日の反復作業は苦じゃなかった。
自分で臨機応変に行動ができないことがわかっていたし、突発的な問題が起きるとパニックにすぐなってしまうから、なるべく知識と経験の引き出しを増やそうと上司や先輩に教えを乞いまくった。

でも、社内の評価は最悪だった。評価されない劣等感に苛まれ、何度も精神科・神経科に通いつめたなあ。
上司からは注意されても改善できない。まず何を言ってるのかが分からない。具体例ならわかるんだけど、精神論とかだともう無理。先輩から顧客を与えられても……そのお客さんが真意を話さないで、オブラートに包んでくるような人だと絶対に酷いクレームになった。「怒ったのをみたことがない」って人ほど怒らせましたね……だんだんボク自身の信用は地に落ち、『客 >>> ボク』 の天秤にかけられて給料泥棒だったし、鬱病発症で使い物にならないから依頼退職ってオチでしたけれども。

これまでの対人トラブルの全てが、アスペルガー症候群だったから「かもしれない」。何度もうつで精神科・神経科に通院したのも、アスペルガー症候群だったからなの「かもしれない」。
早くわかって欲しいなあ。「ボクは発達障害があったんだな」って納得したい。安心したい。


もし。アスペルガーじゃなかったら、ボクは真性クズってことになるんだよな。怖いな。